相続した土地に第三者の名義が残っていたケース
状況
Aさんが相続登記をした不動産(土地)上に第三者(Bさん)の建物の登記が残っていることに気づきました。もちろん建物は現地には存在していません。建物の登記記録から、Bさんが登記を受けたのは大正時代のことであり、Aさんは当然Bさんと面識がありません。Aさんは相続した土地にご自分の住宅を新築することを予定しており、金融機関に住宅ローンの申し込みをした際、Bさん名義の建物の登記を抹消しないと融資はできないと言われてしまいました。
当事務所のご対応、ご提案
当事務所において、第三者であるBさんの戸籍謄本を請求しましたが、Bさんの戸籍謄本はBさん不明のため、交付されませんでした。Bさんの所在が判明しない証明(不在籍・不在住証明)は取得することができるため、法務局に対して土地所有者のAさんより、Bさんの所在が不明であること、建物は現地に存在しないことを書面にまとめて、「建物滅失の申出」を行いました。
結果
本来であれば建物の滅失登記は、建物の所有者もしくは相続人から申請することになりますが、土地所有者であるAさんから「建物滅失申出」という形で建物が存在しないという状況提供を受けた法務局は、現地を確認し、職権で建物滅失登記を実行しました。無事にBさん名義の建物は存在しない結果となり、Aさんは住宅ローンをご利用され、建物を新築することができました。