「うちの子供たちに限って、もめることはない」
「うちにはもめるほどの財産はない」」
そう考え続けて何も対策をせずに、テレビドラマ並みの「争族」劇を演じることは少なくありません。
親が元気なときの家族関係と、親が亡くなった後の家族関係は同じではないのが現実です。親を起点としたパワーバランスが崩れてしまうからです。
親は兄弟姉妹を平等に育ててきたつもりでも、子どもたちはそれぞれ何かしらの不満を抱えていたりするものです。
しかも独立してそれぞれの生活を送っている子どもたちには、それぞれに抱える問題が大なり小なりあるのです。
そのような子どもたちの不満と抱える問題は、親が元気なうちは表面化しません。
しかし親が亡くなったことをきっかけに、そのような不満や問題を目の前の財産で解消したいという欲求が沸き上がるのです。
そしてその欲求は、他の相続人や他の親族の言動、被相続人(親)が遺した遺言書の文言・言い回し、新たに発覚した事実等をきっかけに「怒り」に変わります。
たとえばどのような事実が火種になるかと言いますと・・・
・相続財産の大半が不動産で、各相続人への分割可能な財産がない
・相続財産全体がつかめない(財産目録が無い場合や、不正確な場合)
・相続財産が相続人の予想を超えて多い、または少ない
・被相続人が特定の相続人に多額の贈与をしていた
・相続人に、後妻、養子、非嫡出子などがいる
・相続人以外の人が遺産分割協議に口出しする
・相続税が思った以上に発生してしまい、手元のお金が不足してしまう
このようなことが、「争族」を生み出すきっかけになるのです。
現時点では想像もつかないトラブルが、相続では発生してしまうのが現実です。認知症になると、財産の管理・処分をすることが出来なくなり、問題は、さらに複雑さを増します。
相続(争族)のデメリット
争族となってしまった場合、
親族間で取り返しのつかない不幸な結果を招きます。
家族が一緒になって笑った、あの幸せな笑顔が失われるのです。
一生懸命に働いて築き上げた財産をめぐって、残された家族のいがみ合い。
結局、家族に残したものは、・・・
「怒りに満ちた険しい表情」だけ、
ということになってしまうかもしれません。
ケース別相続トラブル予防法
遺産の分け方に関するトラブル
→明確で公平な考えのもとに遺言書を作成し、それを執行すれば大きなトラブルは防げるとされています。
注意すべきは、遺言作成者の想いだけを押し付けないようにすることです。相続人全員に配慮を忘れてはなりません。
相続税対策
→これまで築き上げた大事な財産を無策に相続させると、納税のためにあっという間に半分以下になってしまうことが少なくありません。
このように、相続税対策は大事な財産を受け継いでもらうために、とても大事なことなのです。
当事務所では、経験豊富な相続税専門の税理士を紹介いたしますので、ご安心ください。
認知症になったときのための対策
認知症になってしまうと、自分の意思で財産を管理・処分することが出来なくなります。家庭裁判所が選任する成年後見監督人が、家庭裁判所の判断を仰いだ上で、管理・処分します。
その時の判断基準は、「被後見人(本人)のためになるかどうか」ですが、「被後見人(本人)のため」の考え方が難しいところです。
今現在「こうしたい」と思っていることを、家庭裁判所や後見人が「被後見人(本人)のためにならない」と判断することも十分あります。
そこで、「自分がどうしたい」ということを明確に意思表示した上で、元気なうちに「任意後見契約」を信用ある方と交わしておくこともできます。そして認知症になってしまったら、任意後見人が事前に交わした契約通りに、「本人がしたい」と希望した内容を履行してくれるのです。